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「ご主人は出張から戻りましたか?」 「まだ。戻るのは明後日だったかな……」 「そうですか。高梨さん、僕が言ったこと覚えてますか?」 「え?」 「ご主人と佐竹さんに仕返しをするって話」 「あ、うん」 「佐竹さんはもうお店、来ないと思いますよ」僕はコーヒーを一口飲んでそう言った。 「どういうこと……?鈴木くん」 「佐竹さん、貴女(あなた)のご主人だけじゃないですよ。少なくとも、吉川くんと、僕も、ですよ」 高梨さんが掴んでいた、アイスティーのグラスのストローが震えた。 「え……なにそれ……」 「吉川くんが、少し前に彼女に誘われたって、言ってたんです。僕に、気をつけろとも。そして、昨夜ですよ、僕が誘われたのは。今日、佐竹さん休んだでしょ」僕はウンザリした顔をしていたと思う。 「え?で、吉川くんと鈴木くんは、絵里にどうしたの?まさか、ホテルに行ったとでも……?」
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