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「ご主人は明後日、出張から戻る予定ですね。今夜から、僕の部屋に泊まって下さい。そこから仕事に通って下さい」 「え?それで、どうすればいいの?」 「お店にご主人が迎えに来ても、無視して下さい。しつこくしたら、警備員を呼んで下さい」 「は……い」 「高梨さん、貴女(あなた)のご主人は、あなた方の同級生と浮気していたんですよ?何年もね」 僕は、高梨さんを可哀想だとは思ったが、こっちが強くなければ仕返しとは言えない。 「それでもご主人を愛していますか?愛していけますか?」 「い……嫌です」 「女癖と酒癖とギャンブルは、死んでも治りません。周りを見ればわかるでしょ」 「そうですよね……わかります」 「安心して下さい。僕の部屋に高梨さんが寝泊まりしても、僕は絶対に貴女が嫌がる事はしません。約束します」 高梨さんは、コクリと頷いた。 「ただ……」 「え……?」
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