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「アラン、ここからあいつの脳天を撃ち抜け」
「まぁ、俺がやるのは簡単だ。けどいいのか?売られた喧嘩は買う、そんで10倍返しにするのがノルだろう?」
「チッ…………クソが。チッ」
アランがこのビル30階の部屋から地上の女の頭を撃ち抜くのは至極簡単なことだ。しかし彼が言うとおりの俺は、自分で手を下さなければ気が治まらない。
この世界では最強と言われているこの俺に喧嘩を売り、怒らせるとはいい度胸だ。二度と刃を向けられねぇよう、直接体に教え込んでやる。
俺は銃を腰に装着すると苦笑するアランを引き連れて地上へ。ドンパチの音が派手に、過激になっている。
銃と刃物では間合いの関係で銃の方が有利なはずだがな。それを逆転させてしまうほどの戦闘スキルがあるのか。女のくせに、生意気な。
出入り口の自動ドアが開いた瞬間、アランの銃が火を噴いた。超怪力女ではなく、わざと彼女が持つ日本刀の刀身を狙った。
超怪力女の手から日本刀が弾き飛ばされる。と思ったんだが、やっぱり怪力か。衝撃に顔をゆがめ耐えた彼女は俺に向き直ると日本刀の切っ先を向ける。
「やっと出てきたわね、悪の親玉!日本刀を持たせれば最強のこのアタシの子分にしてあげるから、大人しくこの土地を引き渡しなさい!」
「見たことねぇ顔だが、テメェは誰だ?新参者が最強を名乗るんじゃねぇ。最強ってのはこの俺のことを言うんだぜ」
俺の土地近辺にいる顔ぶれはほぼ全員覚えている。だが、こいつらは初めて見る顔だ。
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