女暴君襲来

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 ビルの壁に背中から叩きつけられた彼女は咳き込み、それでもすぐに立ち上がって日本刀を振り上げる。それも高々と。うわ、嫌な予感。 「ぎゃぁぁぁっ!!?」  俺は避けた。本能的に大きく飛び避けた。おかげで俺の後ろにいた部下、それから彼女の部下数名が犠牲に。今のはそいつらの悲鳴だ。  まったく、どんな超怪力してんだ。怒り任せに振り下ろされた日本刀は地面に叩きつけられるととんでもねぇ爆音と地揺れを引き起こし、あろうことか活断層のごとく地面を割りやがった。  ビルの玄関付近から外に向けてまっすぐ、幅50センチ長さ十数メートルほどの大きな亀裂。 「ひ、筆頭、酷いです。私達まで……」 「あ、ごめんねぇ。でも悪いのは全部このクソ俺様男だから。待っててね、もう少しでコイツを終わらせるから――」  バンッ! 「筆頭筆頭、油断も隙もありすぎだよ。この男に狙われたらヤバいんだから、もっと警戒しないとー。ねぇ、“DBのイヌワシ”さーん?」 「はっ……そういう君も、なかなか侮れない動きをするな。そのエモノといい、海を渡ってきた者のようだ」 「僕のことは知らない方がいいよお兄さん?というか、興味があるんだよなぁ。お兄さんのその目に僕の自慢の最速、どこまで映るのかってねー」  地割れに足を取られてもがいている部下達に気を取られていた組頭の頭上を、1発の弾丸が通り過ぎた。
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