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アランが放った弾丸だ。彼のツァスタバM76は遠くからの狙撃に長ける、ゆえに彼のスナイパーとしての腕は銃を扱う者の中でトップに君臨する。
名の知れた男だ。意識を集中させれば猛禽類レベルで遠くを見ることができることから“DBのイヌワシ”と、いつからか呼ばれるようになった。
老眼ではない、と彼はよく言う。
そんなアランが組頭の脳天を狙ったようだが、思わぬ妨害が入った。青龍刀の男――外見的には――が彼に襲いかかったんだ。
俺も気づかなかった。音も気配も消した彼はアランの銃身を下から蹴り上げ軌道を反らし、さらに片手で腕をつかんで強く引っ張る。
すると彼の体はクルンと逆さまに、アランの頭上にまで上がると首筋めがけ青龍刀を滑らせる。
まるで体重がない。サーカスの軽業師も驚愕の身軽さで、振り落とすように体をひねって避けたアランの首に片足をかけると片手で銃身をつかみ青龍刀を足に突き立てた。
完全に動きを封じられているアランは今度こそ避けることができず、足から真っ赤な血を噴き出させながら力技で彼を振り落とす。
身軽で磨き抜かれた技が光る分、力自体はないか。肩車状態だった彼は勢いよく振り落とされても地面に手を突き、そのまま勢いを殺すように後方宙返りを3回。
もはや軽業師というよりも忍者を連想させる身のこなし。着地した時にアランに足を撃たれているな。
「シャオリン、遊んでないでイチカを助けなさいよ!あの子、まだ不慣れなんだから……」
「来んでえぇわ!これくらい、私1人で――きゃあっ!」
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