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俺は両利きだからな。右でこいつの足を、左で右腕を撃ち抜いた。くだらねぇことを抜かすもんだから左腕にもう1発。
女ばかりの組で頭は男か。近くに来てやっと確認できた。指の節は太いし肩幅もある、それに胸にはパットを入れているな。
殺しはしねぇ。こいつに興味がある。断じて、惚れているだのなんだのいうわけではないぜ。
「…………うはっ、バレちゃったぁ。シャオリン以外、誰にも見抜かれたことなんてなかったのになぁ。しょうがない……お前達、アタシはいいから撤退しなさい!早くっ!」
「でも、筆頭を置いて逃げるなんて!救ってもらったこの命、筆頭のためなら惜しむことなく使って……シャオリンさん?」
「筆頭の命令は絶対、だったよね?撤退するよー。筆頭、あとの指揮は僕に任せてねー!お達者でー!」
「総長、1人残らず捕まえて吊るし上げましょう!女とはいえ、DBに喧嘩を売ったやつは全員殺して……他の組への見せしめにもなりますよ!」
「ふん、構わねぇ。頭がいれば妙な真似もしねぇだろ、放っておけ」
「あんた、アタシを殺さない上にアタシの仲間達を逃がしてくれるっていうの?」
渋々ながらも女達は、シャオリンに背中を押されて撤退していく。逃がすまいと立ちはだかろうとした部下を、俺は制した。
組頭とシャオリンは厄介だが、他は弱い。いつでも潰せるということだ。
「テメェには聞きたいことがある。用が済んだらテメェとテメェの仲間を全員殺してやる。女は大嫌いだからな…………あぁ、テメェは野郎だったか」
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