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数日後、シャオリンはまだ万全じゃないはずなのに「もう動けるから」と、セイフォンと一緒にアタシの家を出た。
ギオのことは専門だから自分達で何とかする。けど、何かあったら必ず声をかける。スカーレット・ローズの一員だから、招集がなくてもたまにアジトにも来る。
そう言って出て行ったの。早く新しい家を探したいって。いつもの笑顔が、いつもよりも柔らかくなったって思うわ。
弱い自分をさらけ出したことによって、本当の意味でアタシ達を信頼してくれるようになった。
ちょっと無茶をさせちゃったけど、よかったよかった。でもね、今のアタシはぜんっぜん良くないの。
「てめ、女じゃねぇのかよっ……う、う、うわぁっ!!待て待て待て待て、ぐあぁっ!」
「女じゃないから何?待たないわよ。逃がさないから。アタシに喧嘩を売ったの、心の底から後悔させてあげるわ」
男達の悲鳴。轟音と爆音と地揺れ。アタシは日本刀を真っ赤な血で濡らし、手加減してやりながら男達を叩きのめす。
イチカと買い物に出かけていたら絡まれたのよ。イチカが荷物を持ってくれて、重たいからフラついてちょっとぶつかった。
すぐに謝ったのよ?なのにこいつら、イチカの胸とアタシの容姿を見ていかがわしいことを考えたみたい。路地裏に連れ込まれそうになってイチカがナイフに手をかけた。
だけどアタシは止めた。怒ったイチカが「なんでやっ」ってアタシを見上げてきたけど、言葉を飲み込んで1歩下がる。
アタシ、今とっても機嫌が悪いの。鏡を見るのが怖いくらい、きっとアタシの顔は別人になっているって自覚があるもの。
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