真っ赤なバラと真っ赤な痛み

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 目が覚めたらそこは屋上だった。え、なんで屋上?ここは普通、窓もないような地下の冷たくて暗い牢獄とかでしょ?  だってアタシ、DBの頭に捕まってあげたんだから。  もちろんわざとよ。日本刀を持たせれば最強のこのアタシがまさか、本気でDBに勝負を挑んで惨敗するなんて有り得ないでしょ?  それにしてもいい天気ね。良すぎて、燦々と降り注ぐ日差しがアタシの白いお肌をジリジリ……ってダメダメ!日焼け止め塗ってないんだから!  だから、なんで屋上なのよ!?紫外線はアタシ達、白いお肌を愛するレディの天敵なのに。  って、アタシは本当はレディじゃないんだけど。あーあ、そういえばアタシが男だってバレちゃったのよねぇ。初めて会ったのに見抜かれちゃった。  DBの総長こと、ノルウェム35歳。独身。紺色の前髪は右半分を後ろに撫でつけて、グレーの瞳は気だるげにアタシを映す。  背が高いのよね。近くに立ってドキッとしたわ。だってアタシよりも20センチ近く上に頭があるんだもの。見下ろされると屈辱的だわ。  あと、ものすごくモテる。そこらのモデルがかすんで見えるくらいの整った綺麗な顔、高身長でヤクザの頭と来れば女の子じゃなくても惚れるわ。  お、おまけに低い良い声だし。きっとお金もたくさん持ってる。性格はあんまり知らないけど、ほとんど完璧じゃない。何か悔しい。  だからDBには銃を扱う男以外にも諜報活動を主とした女もいる。夜はいつもその女達と寝るんですって?
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