真っ赤なバラと真っ赤な痛み

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 でも絶対に、本命の恋人は作らない。世にいうセフレっていうやつ?それでもいいってすり寄ってくる女も女だけど、下劣だわ。吐き気がする。 「おい、今何を考えてやがる?人を汚ねぇ生ゴミでも見るような目で見やがって」  ノルウェムは年季の入ったシルバーのキセルを手に、わざとアタシの顔に煙を吐く。臭い臭い!ひぃーっ! 「あんたなんか、ケホッケホッ!生ゴミ以下よ!優雅に吸ってるけど、イマドキ、タバコなんてモテないどころか嫌われるんだからね」 「これはタバコじゃねぇ、キセルだ。あんな、人間をだめにするようなタバコと一緒にすんじゃねぇ。それに、俺は何もしなくてもモテる」  タバコもキセルも、吸う人も周りの人もダメにするのは同じようなものよ。というか今、サラッと耳を疑う発言が聞こえたんだけど。  言い返してやりたかったんだけど。足の傷口にキセルをグリグリ突っ込まれてセリフが悲鳴に変わった。  立っているのがやっとのアタシは両腕を屈強な男2人にガッチリ固められてるし。前には常に2人の男が銃を向けている。  他にも男が数人いるんだけど、アランって呼ばれたノルウェムよりも少し背が高い男と最年少っぽい男の子はいない。  アタシの側近のシャオリンが上手くやってくれたもの、今頃は医務室ね。ホント、よくやったわシャオリン。
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