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女の銃が火を噴くよりも早く、起きた時からずっと布団の中で握っていた銃で撃ち抜いてやった。知っていたからな、女が二重スパイだと。
元々はよそのシマに潜り込んで諜報活動をするスパイだったが。どうせ、向こうのボスにバレて買収されやがったんだろうよ。
「はぁ、くだらねぇ。お前もお前だアラン、様子見なんてしねぇでさっさと出てこい」
俺はベッドから降りサイドテーブルに用意されている服に着替えながらドアの方に声をかける。1人の男が姿を現した。
「あの女くらい総長なら朝飯前だと思ってね。それよりも外。女ばかりの組で、十数人しかいないのにちょっと手ごわいんだよ」
「女ぁ?この地揺れ、女の仕業なのかよ?たった11人じゃねぇか」
部屋に入ってきた長身でガタイのいい男、アランは俺の側近だ。俺のシマを狙っている奴らはほぼ毎日喧嘩を吹っ掛けてきやがる。
だが今回は女ばかり、しかも少人数の組。俺の部下は100を超えるからな。普通に考えれば5分ももたずに勝敗が決する。
しかしすでに5分以上経っている今でも奇妙な地揺れがするということは、俺の部下達はまだ女どもにてこずっているというわけだ。
窓から様子を見てみれば、女どもを俺の部下達がとり囲んで銃口を向けている。女どもの武器は刃物か。
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