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「体の方は大丈夫かい、筆頭?」
ビルの駐車場に車を止めていたシャオリン。敵地によく堂々と止められたものだわ。何もしかけられてないかって確認してるみたいだけど、DBは本当に追いかけてもこない。
シャオリンが運転する車の後部座席に横になって、アタシは「大丈夫なわけないでしょ」と答えた。
「足も腕も撃たれてるんだし、尻もメチャクチャだったんだから。でも……1番痛いのはあのギオって男に掴まれてた首と手かな。恐かったわ」
「あの怪力の筆頭が組み敷かれてメチャクチャに、かぁ。僕も見たかったな。クスッ、冗談ですよ」
スカーレット・ローズが撤退した時にシャオリンが皆を率いてくれていたと思っていたんだけど。彼はそのまま撤退したと見せかけてビルに残っていた。
ジャックやアラン、他のDBの人にも変装して内側から探っていた。その間、アタシがノル達を引きつけていたってわけ。
文字通り体を張ってるでしょう?アタシがわざと捕まったのはこのためよ。
変装技術に長けていて頭がよくて強くて、潜入には持ってこいの彼に情報収集を任せる。DBの表と裏、それからノルやアランやジャック達個人のことも。
でも変ね。予定では明日になってからアタシを回収してくれる手はずだったんだけど。
何かあったのかしら?チラッと彼の背中を、バックミラー越しに顔を見てみる。あれ、めったに見たことない真剣な顔だわ。
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