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「そんなんだから、フユミにも告白出来ないんじゃないか?」
「は?なんで知って、なに言ってんだよ?」
「やっぱり、練習がてらさっきの子のところに行こう」
「それは待て。っていうか話をはぐらかすなよ」
「まあまあ、落ち着き給えよ、アキオ君。フユミがどんなヤツがタイプか教えてやろうか?」
「おう。というかなんで知ってるんだ?お前ら別に仲良くないだろ?」
「ああ、そういえば知らないのか。俺達付き合ってたんだぜ」
「・・・え?ウソだろ?」
「いや、ホントだ。ほら」
「ちょっと待て。いつ撮ったんだよ、こんな写真?」
「去年の冬だな」
「聞いてねえよ、そんなこと」
「いや、聞いただろ」
「・・・くー・・・なんか萎えたわ」
「安心しろ、なんもしてないから。それにお前の気持ちはそんなことで簡単に折れる程度のもんだったのか?」
「・・・いや、そうじゃない。そうじゃないけど」
「じゃあ、悩む必要なんてないじゃない。いいやつだよ、フユミは」
「そこまで言うならさ、なんで別れたんだよ?」
「・・・俺が不甲斐ないせいさ」
「なんだよ、それ?振られたのか?」
「フユミみたいないい女にはさ、俺なんかよりまともで、もっと見合う人間がたくさんいるんじゃないかと思っちゃってさ」
「それは確かにそうだ」
「そこは慰めろよ」
「でもさ、お前の気持ちはそんなことで簡単に折れる程度のもんだったのか?」
「・・・」
「お前、フユミのこと好きか?」
「・・・うん」
「じゃあ、告白しろって」
「・・・うん、お前は?」
「お前の告白が成功することを祈ってるわ」
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