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「アンタとついに決着をつけるときが来たようね」
アーシャは、傷だらけの身体をさすりながら、しかし、強い視線を目の前の敵に送る。
「小娘ごときが私の手を煩わせよって。まあ、次の一手で楽しにしてやるから感謝しろ」
魔女が手に握る杖が不気味に光る。そして、アーシャを目掛けて攻撃が放たれる。
「ぐはっ!」
腹部に攻撃をもろに受け、膝をつき、そして、その場に倒れた。
「ははは!この私にかなう者など……」
魔女が勝ち誇った声をあげようとすると、それを遮る弱々しくもはっきりと芯の通った声が漏れた。
「……ま、まだ負けてない……」
それは、先程攻撃を受けて地面に伏しているアーシャが放ったものだった。
「なに?私のこの攻撃を受けてもなお生きているだと!?」
驚きの表情を浮かべる魔女を尻目に、アーシャは今にも消えそうな声を発する。
「……もう、これしかないよね。」
彼女はいうことを素直に聞いてくれなくなった己の身体を、どうにかして仰向けにする。
「ミーシャ、許して……」
頬に涙を伝わせながら、自らの杖を己の胸に向ける。
「まさか!」
アーシャがせんとする行動を察知した魔女が、慌てて防御体制に入ろうとしたときにはもう時既に遅し。
「テランテ!!!」
力を振り絞り最大級の自爆魔法を叫んだアーシャは、己の胸に杖を突き刺す。それと同時に、魔女をも巻き込む大爆発を起こした。
それによって、村を襲う妖魔たちは姿を消した。
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