495人が本棚に入れています
本棚に追加
師団長の部屋は二階にあるが、一人部屋だ。ウェインの部屋に放り込まれたランバートは、そこで他の三人の師団長もいるのを見た。
「あの…」
「ランバート、おいで」
柔らかな笑みを浮かべるウルバスが立ち上がって手を引き、自分とオリヴァーの間にランバートを座らせた。対面にはアシュレーとウェインがいて、一人用のソファーにグリフィスが座る。
「あの…」
「お前、昨日ファウスト様と何があった」
「…」
アシュレーの詰問のような言葉に、ランバートの心臓は早鐘を打つ。
言葉が出なくて、胸元を握る。息が上手くできなくなっているのに、余計に入ってこない。
そんなランバートの頭を抱えるように、オリヴァーが肩口に引き寄せて顔を隠してくれた。
「アシュレー、そのように問い詰めてはなりません。可哀想に、こんなに苦しんでいるのに。この子がこんなにも憔悴するなんて、ありませんでしたよ」
「別に、問い詰めたわけでは」
「いいえ、問い詰めています。貴方の言い方があまりにきついのです」
温かな体に顔を当て、優しく背を撫でられる。それだけで、許されているように緊張が緩み、また苦しさがこみ上げてくる。優しい手が、全てを包んでくれる。
最初のコメントを投稿しよう!