アシュレーの罠

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 師団長の部屋は二階にあるが、一人部屋だ。ウェインの部屋に放り込まれたランバートは、そこで他の三人の師団長もいるのを見た。 「あの…」 「ランバート、おいで」  柔らかな笑みを浮かべるウルバスが立ち上がって手を引き、自分とオリヴァーの間にランバートを座らせた。対面にはアシュレーとウェインがいて、一人用のソファーにグリフィスが座る。 「あの…」 「お前、昨日ファウスト様と何があった」 「…」  アシュレーの詰問のような言葉に、ランバートの心臓は早鐘を打つ。  言葉が出なくて、胸元を握る。息が上手くできなくなっているのに、余計に入ってこない。  そんなランバートの頭を抱えるように、オリヴァーが肩口に引き寄せて顔を隠してくれた。 「アシュレー、そのように問い詰めてはなりません。可哀想に、こんなに苦しんでいるのに。この子がこんなにも憔悴するなんて、ありませんでしたよ」 「別に、問い詰めたわけでは」 「いいえ、問い詰めています。貴方の言い方があまりにきついのです」  温かな体に顔を当て、優しく背を撫でられる。それだけで、許されているように緊張が緩み、また苦しさがこみ上げてくる。優しい手が、全てを包んでくれる。     
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