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楽しい時間は駆け足で過ぎていく。
「ピンポーン」
幸せの時間の終了を告げるチャイムが鳴り響いた。
「はい。」
「玲子よ、開けて!」
「お久しぶりです、夕貴です。どうぞお入りください。」
「夕貴ちゃん!今いくわ。」
玲子さんは高村くんの迎えだ。
付き合い始めて、玲子さんに会うのはこれが初めてだ。
見た目、背の高い綺麗な女性だけど、感情的になると太い声が出るのがたまに傷の彼女?
高校時代、高村くんと付き合ってるとき、玲子さんは私たちを応援してくれていた。
人前に出れるよう変装セットを用意してくれたのも玲子さんだ。
「夕貴、早く、こっちに来て。」
ベッドに座る高村くんが手を広げて待っている。
その胸に飛び込むと、膝の上に乗せられギュッと抱き締められ、唇を塞がれる。
玲子さんが玄関に到着するまで名残を惜しむように、長く優しいキスを交わした。
「ピンポーン」
「チェッ、もっとゆっくり来ればいいのに…」
不満げに呟いて、もう一度チュッと触れるだけのキスをして私をベッドに座らせた。
私も同じ気持ち。
幸せな時間が終わりを告げるように鳴ったチャイムに、胸がキュ―ンと締め付けられた。
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