過保護な執事の甘い夜

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 まるで夜空に浮かぶ星を宿したように輝く瞳。私ではない誰かを想って語っていらっしゃる姿を、これ以上見てはいられませんでした。 「申し訳ございませんが、そのご要望にお応えすることは出来かねます」 「立花・・・・・・? 」 「恋をした相手への贈り物は、お嬢様がお一人で作るべきです。その方を想って、一生懸命に作れば必ずお気持ちは伝わるでしょう。レシピに材料、必要なものは明日の朝一番に手配させて頂きますので、ご心配なきよう」 「でも、私」 「さあ。今日はもう、おやすみになってください」  ドアを開き、お嬢様の背中をそっと押しますと、落胆した悲しげな顔を俯かせて私の部屋を後にされました。  いつかこんな日が来るのは覚悟していたのです。  お嬢様にとって私は、ただの執事。さやかお嬢様のためならば、手となり足となる、ただの過保護な執事にすぎないのですから。  いつしか降り出していた雨のどこか物悲しい響きが耳につき、ベッドに横たわっても中々眠れずにいました。  浅い眠りに落ちては目が覚めて、を繰り返し、その度にお嬢様の笑顔を曇らせたことへの後悔と、胸の奥でもやもやと渦巻く濁った感情の正体に気がつき、我ながら驚いたものです。
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