第一章 マコとの出会い

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 風呂は玄関に入って左のドアだった。マコもタオルを取るために一緒に脱衣所まで付いて来てくれた。タオルは洗面台の下の棚の中にあるようで、マコがしゃがんで棚の扉を開けた。しゃがんだ瞬間、マコのTシャツが少しめくれ背中が見えた。  少ししか見えなかったが、デカデカと刺青が彫ってあるのがわかった。和彫りだ。改めて思う。やっぱり変な事に巻き込まれたんじゃないかと…。  マコはバスタオルを脱衣カゴに入れ、体を洗う用のタオルを俺に渡してくれた。マコが出ていったのを確認して服を脱ぎ、ドアを開けると浴槽は黒く光っていた。そもそも黒い浴槽なんてラブホ以外で初めて見た。風呂までお洒落にする必要はあるのだろうか。ブツブツ小言を言いつつも気分はウキウキだ。なんと言っても温かい風呂だ。しかも、足が伸ばせるほど広いと来た。これがテンションを上げずにいられるだろうか。体を忙しなく洗い、俺は浴槽にダイブした。なんと良い湯加減だろうか、マコ様ありがとう。     
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