第一章 マコとの出会い

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 そんな寂しさを紛らわす為なのか、俺は女遊びに励んだ。適当な女を探し、そいつに食わしてもらったりもした。そんな女とも最近はご無沙汰で、生活は苦しかった。金も全くない状態で一人暮らしを始めたので借金もあり、食べることもままならない状態だ。2日に一回だけ食事するような状態が続いていた。当然足取りはフラフラおぼつかない。  俺はバイト先から一人暮らしの家に帰る為、そんなフラフラな状態で夜の繁華街を歩いていた。カバンが異常に重く感じる。夏なのに寒い。おかしい。特に鼻だ。触ってみると鼻は冬かと思うくらいに冷たくなっていた。呼吸が早くなり、頭のてっぺんが痺れて痛い。遂に足も上がらなくなり俺はその場にへたり込んでしまった。  俺の前を何人もの人が通り過ぎていった。本当にこの街の奴等は冷たい。視界が狭まっている。ああ…栄養失調ってやつなのかな…。などと考えていると突然声をかけられた。 「大丈夫ですか!?」  顔を上げると、そこには白いドレスを着た女がいた。相当な美人だ。メイクもしっかりしており、髪のセットも完璧。  ドレスからは胸がチラチラ見える。おとなしそうな声からは想像できないほど派手な見た目だった。 「ちょっとフラフラして…」 と返事をした。 「お酒じゃないですよね?救急車呼びましょうか?」 ありがたいが、それは困る。俺はこの時保険証を失効していた。保険料を払う金なんて勿論なかったのだ。俺は正直に言った。 「酒は呑んでいない。多分栄養失調だと思う。だけど、金がないから救急車は呼ばないで欲しい」     
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