クリーニング屋の探偵

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そう言って出てきたのは30後半ぐらいの女性だった。そして、後ろからはおばあちゃんの言っていた猫にそっくりな毛並みをしていたが首輪の色は赤になっていた。  「すいません急に来てしまい。私は探偵事務所をやっている宮園拓朗と言います」  宮園は名刺を渡した。  「はぁ、それで、探偵時事務所の方が何の御用でしょうか?」  どこか警戒しながら女性は訊ねてきた。  「実は、今とある猫を探しておりまして、この猫なんですがそっくりですよね?確認させてもらおうと思いまして来た次第です」  宮園はおばあちゃんから貰った写真を彼女に見せ後ろの猫を指さした。彼女は後ろを振り向き  「!?そ、それは、し、知りません!!あの猫は私たちがここに来る前から飼っていた猫です」  そう言いながらも彼女は明らかに動揺してドアを閉めてしまった。  「ですが、あなた方親子と猫が一緒にいるのを見かけたという人がいます。それに、ここのマンションの人たちにも聞いています。管理人にも確認しています。ここに入居するときあなた達家族には猫はいなかった、と」  それを、聞くと隠しきれないと思ったのか諦めドアを開けた。  「中へどうぞ」  彼女は中へと入るように促した。  (引っ越してきたばかりだからかあまり片付いてはいないんだな)  中にはまだ荷解きが終わっていない段ボール箱がつまさっていた。そして、彼女から  「すみません。まだ片付け終わっていないもので。座っていてください、直ぐにお茶をお持ちしますので」  彼女は座布団のある所に案内しキッチンへとお茶を入れるために向かって行った。  「お構いなく」  宮園は先に座って待つことにした。  待つこと数分  「すみません。お待たせしました」  「いえ、構いません。それより本題ですがその猫は近くの駐車場にいた水色の首輪の付けた猫ですね?」  「それは」  「教えてください。飼い主は一人暮らしのおばあちゃんで寂しがっていますし、心配もしているんです。それに、証拠はほとんど揃っています。ですが、一番は猫とは自由な生き物です。自分で行きたいところに行きそして、元の家へと戻るそれが猫だと思います」  彼女はどこまでも口を開こうとはしなかった。その間しばらく沈黙が続き宮園から切り出した。
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