クリーニング屋の探偵

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相談編  12月の冬の時期  「あ、お兄さん!」  クリーニングの配達が終わり室内に入ろうとしたとき後ろから声を掛けられた。  「恵美ちゃん今帰り?」  彼女は今井恵美近所の娘だ。近くの中学に通う中学3年生で今は受験で忙しいはずだ。  「はい。あ、そうだ!クリーニング屋が終わったらまた、勉強を見てもらっていいですか?」  「まあ、仕事がないから別に構わないよ。でも、ちゃんと親に行ってくるんだよ」  彼女はたまに探偵事務所の方にやってきて勉強を見てほしいと頼んでくる。まあ、仕事がないからOKしてしまうんだが。  「わかってるよ!」  「はあ、やれやれ、今日は騒がしくなりそうだ」  そう呟き、宮園は店の中に入っていった。 ―――探偵事務所―――  「こんにちは!勉強を教えてもらいに来ました」  玄関のベルが鳴り今井恵美が入ってきた。  「いらっしゃい。今お茶入れるからちょっと先に座って待っててね」  宮園はそう言いお茶を入れるために奥に入っていった。  「は~い。ありがとうございます」  数分後  「お待たせ。それで、どこがわからないのかな」  そう言いながら宮園は彼女に聞いた。  「え~と、此処なんですよ」  「ああ、そこは……」  こうして勉強を二時間ほど続けると、いったん休憩をとった。  「ふう~。あ、そうだ」  彼女は何かを思いついたのかこちらを見てきた。  「どうしたの?」  「いや~。そういえばお兄さんのこと、私、何も知らないな~と思って」  「いや、知ってどうするのさ?そんなことより今は勉強に集中しないと」  お茶をすすりながら宮園は答えた。だが、何もない風に答えていた宮園だが彼女には気づかれていないが一瞬だけ顔を曇らせた。  「え~!教えてくださいよ!」  (相手のことにどんどん首を突っ込んでいくことはこの娘の長所であり欠点だよな)  「はぁ~。勉強の続きもあるし一つだけだよ」  このままでは埒が明かないと思ったのか宮園は両手を上げ降参のポーズをとった。
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