クリーニング屋の探偵

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「やった!それじゃあね、そんなに頭がいいのに何でこんな所でクリーニング屋や探偵なんてやっているの?」  彼女にとっては純粋な疑問だったのだろう。こんなにも勉強が出来るのにもったいないということなんだろう。  「そう、だね。会社にはちゃんと就職したんだけどねその会社で上手く馴染めなくてねそれで、あちこち転々としていてそれで、この町にたどり着いた。そこからいろいろな人たちの援助を受けてここにクリーニング屋を開店して副業で探偵事務所を始めたんだ」  「へぇ~そうなんだ。だからかな他のお兄さんと同い年ぐらいの人と比べても落ち着きがあるように見えるのは」 「そんなことはないと思うよ。僕は人生に失敗した人だよ」  「そんなことない!」  彼女は立ち上がり宮園へと詰め寄って  「そんなことないよ、したって、お兄さんはこの町に居るのが辛い?」  「そんなことないよ」  宮園は彼女のただ純粋に真っ直ぐ見つめてくるその瞳にそう返すのが精一杯だった。  「そうでしょ。したって、お兄さんいつも楽しそうじゃないですか?まだ、中学生の私がこういうことを言うのもおかしいと思うけど。この町に住む人はみんなお兄さんがしてきたことを知っている。お兄さんに助けられた人たちがいる。だからこそ、そんなこと言わないでください。お兄さんは人生に失敗した人じゃない成功した人だと私はそう思います」  宮園は彼女の言葉に目を見開きそして、涙が頬を伝った。  「ありがとう」  宮園はそれだけを言った。 ―――翌日―――  クリーニング屋のドアが開いた。  「いらっしゃいませ」  「こんにちは、宮園君」  「瑠美さん」  彼女は今井瑠美、今井恵美の母親だ。  「はい、これクリーニングお願いね」  「いつもありがとうございます」  そう言い宮園はクリーニングする服を受け取った。  「昨日のこと娘から聞きましたよ」  「え!?」  「クスクス、あんまり自分のことを卑下しちゃだめよ」  彼女は笑いながらそう言った。  「すみません」  宮園はすぐに謝った。  「謝る必要はないわよ。これからも、お願いね」  そう言い彼女はクリーニング屋を後にした。  「はい!」  宮園は返事をし今日もいい天気だと空を見ながら今日からまた頑張ろうと志したのだった。
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