クリーニング屋の探偵

3/14
前へ
/14ページ
次へ
浮気調査からの クリーニング屋を閉めて直ぐに玄関のベルが鳴りドアが開いた。そこにいたのは、平均ぐらいの身長でスレンダーな20代半ばの気弱そうな印象を受ける女性だった。 「いらっしゃいませ。ようこそ、宮園探偵事務所へ」 「あの依頼したいことがあるんですけど大丈夫でしょうか」 「ええ、大丈夫ですよ。ちょうど仕事が終わったところです」 彼は笑って言ってはいるが、この探偵事務所に依頼してくる人はあまりいない。いたとしても近所の人が偶に依頼してくるぐらいだ。女性に座るように促してからコーヒーを用意してから彼も座った。 「まず、あなたの名前は?」 「藤江 玖瑠実です」 「それでは、藤江さん。ご用件は何でしょうか?」 「はい、実は、恋人がいるんですけど、最近彼の行動がなんだかおかしいんです。やたらと私の行動を気にしたり帰りが遅くなったりそれに、家にいても落ち着かずにそわそわしているんです。それで、何か悩みがあるのかそれとも考えたくはないですが二股を掛けているのではないかと悩んでいたところにこの探偵事務所を見つけて」 「なるほど、それで依頼をしにきたと」 「はい」 「では、まず彼氏さんの顔を見せていただくのと名前を教えてください」 「は、はいこれです」 藤江は写真をバッグの中から取り出し彼氏の顔写真を見せた。そこに映っていたのは同じ20代半ばぐらいのスリムな男性だった。 「彼の名前は深谷 宗太です」 それから10分ほど連絡先や働いている場所のことを聞き彼のわかっている部分の行動を教えてもらう。 「分かりました。その依頼引き受けましょう」 宮園は依頼を引き受けることにしたのだった。 「よろしくお願いします」 藤江は頭を下げ帰っていった。 「さてと、それじゃあ始めますか」 ―――尾行一日目―――  クリーニング屋の仕事を終わらせると、藤江さんにあらかじめ聞いていた。深谷さんが勤めている会社に向かい深谷さんが出てくるのを待つ。  20分後深谷さんが一人で出てきた。  (さて、尾行を開始するとしますか)  宮園はこっそりと後を付けて行った。  この日は特に怪しい行動をとらずにまっすぐ帰宅しもう外へは出てこなかったのでこれで終わりとなった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加