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―――数日後―――
この数日は何も怪しい行動をせずにいたが、今日は会社終わりとなりいつもの帰途にはつかず近くのショッピングモールに来ていた。
(おかしいな。今日もまっすぐ帰ると藤江さんは言っていたはずだが、ショッピングモールに来るなんて。やはり、二股を掛けているのかな。いや、それはないかこんな知り合いがいるかもしれない所でそんなことをすることはないだろう)
考え事をしているうちに彼が喫茶店に入っていった。少し間を開けてから喫茶店に入り彼の見える位置の席に着いた。
―――5分後―――
「ごめんごめん、上司がうるさくてね」
そう言って現れたのは深谷と藤江と同じぐらいの年の女性だった。
(彼女は知り合いかな?あとで聞いてみるか)
そう思いバレないように二人の写真を撮った。
「いや、別にいいよ。呼んだのはこっちだしね。それより何か頼むかい?奢るよ」
(深谷さんが呼んだのか二股ではなさそうだけどどんな関係なんだろうか?)
「それじゃあ、お言葉に甘えてコーヒーとサンドイッチでお願い」
女性は、店員に注文をすると最近の出来事など世間話をした後に声を潜めながら彼と話し始めた。
「それで、どうするか決まったの?」
女性は彼に何かを尋ねたようだ。
「ある程度までは決まったんだけどね。どうやってあの場所まで呼ぼうかと思って、頭を悩ませているんだよ」
彼がそう言うと女性は笑いながら
「アハハ!そうだね。玖瑠実は、気弱な感じだけどサプライズが好きだからねぇ~。それに、かなり鋭いから悩むよねぇ~」
どこか女性が最初楽しそうに語るが最後の方は表情を曇らせながら言った。
(へぇ~。人は見かけによらないんだな~。それにしても、三人は知り合いのようだけど今までの話からすると、まさか、深谷さんが挙動不審なのは)
宮園はそこで一つの結論に至った。だが、確証がまだないため動かずにいた。どうすればいいか悩んでいるうちに二人から決定的な会話が出てきた。
「あのさ~早く決めないと明後日が玖瑠実と付き合って三年目。その時にプロポーズするって決めているんでしょ?あんまりこんな所にいると怪しませるんじゃないの?」
「わかってはいるけど、どうしてもバレないようにサプライズで驚かせたいんだよ」
深谷のその言葉にはどこか切実な気持ちが込められているようだった。宮園はその言葉を聞くとすぐに動いていた。
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