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「そうですか。じゃあ、その親子に見覚えは?」
「ないかな。少なくともこのあたりの人じゃないと思うな?でも、旅行ではないと思うから最近引っ越してきた人だろうな。まあ、そういう人達がいたら知らせるよ」
「ありがとうございます。他に何かあれば連絡をください」
「ああ、わかったよ。お前も頑張んな」
宮園は礼を言いその場を後にした。もらった情報をもとにその親子を探すことにした。
(この辺りで見たことがないというと、あまり観光客はこの辺には来ない。そうすると最近ここら辺に引っ越してきた人という路線で調べるべきだろうな)
ここら辺に引っ越してきた人を中心に調べてみるようことにしたようだ。調べることをメモしながら帰途についた。
―――探偵事務所―――
(さて、引っ越してきた人中心といっても最近は個人情報が厳しいからな。ここからは地道に探すしかないかな)
宮園はこの日はそのまま就寝した。
―――翌朝―――
プルルルル!プルルルル!
携帯電話のベルが鳴り宮園はもそもそとしながら目を開けた。
「誰だ?こんな朝早くに」
時間はまだ朝の6時だった。電話してきたのは昨日、猫を見たという人からだった。
「朝早くから悪いな、実は昨日の話だが最近引っ越してきた親子がいるそうだ。しかも、お前が探しているという猫を見たかもしれない」
その話に宮園は一気に目が覚めた。
「それで、その親子が住んでいる場所は?」
「場所は……」
―――数日後のとあるマンション―――
この数日間、宮園は引っ越してきた親子のことについて調べていた。それで、わかったのはその親子は旦那さんの仕事であちこちに引っ越しているそうだ。そのせいで、奥さんはその疲れか近所での付き合いがかなり悪いようだ。そして、子どもの方も学校で上手く馴染めないのか一人で学校では過ごしているようだ。
(それにしても、直ぐに見つかったな。まあ、確かに猫を連れて行ったということは動物の飼える場所だよな。俺もまだまだだな)
宮園は反省しながらも歩いてマンションのドアの前まで来た。気を取り直すために頬を軽く叩いてから玄関のベルを鳴らした。
「はーい」
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