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昨年春から引っ越してきた
ボロマンション12階建
のリビングからダイニング、キッチンは
こざっぱりし過ぎた。
荷物整理していた
春野和巳は熱をだした弟が実家で
留守にしてる間に掃除を始めた。
「何でこんな多いんだ」
荷物が多すぎて掃除の邪魔をしている。
ペットのゲージもギリギリ収まっている。
埃がかかった時計の針は
午前をさしていた。
朝は赤のランプがつく設定な
のだ。
単4の電池もかたっぽは
欠けている。
夜になると弟をトラックで迎え、
連れてくる。
毛布にくるまった弟はほっぺたを
朱色にさせていた。
「飴玉なめる」
鞄からだした飴玉の瓶から
飴玉を１つずつ口に。
弟はかろうじてソファの横で座って
うたたねをはじめた。
わたしはキッチンにたち、夕食、明日の
朝食の準備をしていた。
夕陽も暮れ、
部屋の明かりもひとつからふたつへ。
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