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「勇者さま、わたくしどもになにか不手際でもありましたでしょうか?」
扉の向こうに控えている美形執事が、おろおろした声音で問いかけてきた。
あーーー今の状況をひとことで言ってしまえば……
異世界トリップしてしまい、紆余曲折あって勇者となった俺。重大な案件で、領主様のお屋敷に招待されたのだが、ただいま茫然と佇み中。
これがラノベなら、むしろ「紆余曲折」の部分をじっくり語るべきだろうが、今はどうだっていい。
執事が見た事のないほどの美メンで、もげろ! と心中で唱えた事とか、領主様がまばゆいばかりの美少女で、「領主様と俺の未来」を瞬時に百通りほど妄想したとか、そんな事もどうだっていい。
俺は今、これ以上ないほどせっぱつまっていた。
なぜ、コタツがここに?
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