0人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
真っ黒い足元を薄ぼんやりと明るくするのは一面の雪という雪。加えて顔面にぶつかりまくる吹雪のおかげで正気と狂気ないまぜの意識が、くたびれ切った足を加速するように
前進させていく。嵌めた手袋で握る鉄の塊、MP5SMG(短機関銃)は、動作不良防止の
ため塗ったグリースのおかげで少しは暖かいが、担いでいる装備品も含め、負担となり始めている。全身に疲労と寒さを纏わいつかせ、“軍曹”は何十度目かめの台詞を口にした。
「暖が、モロボシ〇ンじゃない暖が欲しい…!」
「それを待ってましたよ!!」とばかりに、彼の後方に並んだ数十の影、同様の状態な
兵士達が一斉に抗議の声を上げてくる。
「何が暖だよ!?この軍曹さんはよっ!?やっぱり道知らなかったんじゃないかよぉ!!」
「そうだ。この野郎!これだったら基地に留まった方が良かったじゃねぇか!この野郎!」
「何が!?向こうから“雪女の残り香が…だよ!”只の妄想だろうがっ!」
「てか、そもそも雪女についてったら、全員凍死確定じゃねぇか!こん野郎!
by遠何とか物語ぃ!!」
軍曹:「うっせいな!あのまま基地に残ってたら、全員死んでただろうがっ!?それに昨今の世の中“狂うJAPAN”現象?あれ?クールジャパンだっけ?とかなんやらであれだろうが!漫画みたいな能力者やら、ドキドキヴィジュアルな女の子が現実に溢れかえった、要は何でもありな、不確定、空想、妄想!全要素実現世界ナウな、バッカヤロウワールドだろうが!」
荒れ狂う吹雪の原野で罵詈雑言を響かせ、不毛な争いを繰り広げる軍曹達は、
変な意味で盛り上がっているが、恐らく読んでる人は訳がわからんと思うので、時間を
3時間程巻き戻す…
最初のコメントを投稿しよう!