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「制服を盗むとは、なかなかやるな?リストによると、お前の名前は…軍曹?階級では
なくてか?いい加減な情報だな。全く。」
「本当にそうなんすよ!酷いっすよね?俺の軍曹ってのはあだ名で、兵士じゃなくて
同人野郎なんすよ。同人!わかります?何故か、あだ名で軍人と思われて、こんな地獄に
連れてこられた次第でさぁ。」
「“同人”は知っている。つまり我々の敵という事だな?拘束と連行は妥当だと思えるが!」
「ええ~っ?なしてそうなるんすかぁっ!?可笑しいじゃないすか?」
「昨今の現状は知っているかな?軍曹。公式には報道されていないが、世界各地で確認されている“異変”を。」
「ネットに上がっている?“実録!?魔法少女が映った!”とか、海岸に巨大生物が流れつく的なアレですか?」
「ほう、なかなか詳しいじゃないか。その通りだ。世界は少しずつ変わってきている。
とても危険な狂った方向にな。」
「囚人達の中にも、明らか通常の奴等とは違った面構えの娘っ子達がいましたからね。
察しました。同人屋としてはネタに困らない世の中到来を期待してますよ。」
「その思想が危険なのだ。もし、彼等、彼女達がこの世を闊歩…既にそうだが、
現れ始めれば、共存という段階で争いが必ず起きる。その時、連中に味方し、何もわから
ない無垢な民を扇動するのは、君達、オタクな存在、同人作家達だと我々は考えるのだよ。」
「ハッ、考えすぎじゃないっすか?ただそうなると、ここに設置されてるのは、
もしかして…」
「核融合を極力抑えた特殊気化弾頭。爆発範囲は“ヒロシマゲンバク”のおよそ10倍、
連中の中にはテレパス(相手の心を読める)やIQが異様に高いモノもいると聞く。
それが政府高官や将軍連中の頭ん中を読んだらどうなる?開戦前からこちらの負けが
確定する。だから一部のごく少数の者しか知らない戦略基地が必要なのだよ。ここはその
保険の一つとなる。」
「保険というと、保健体育を想像しちまう素敵な自分ですが、なるほど!ですが核に匹敵する兵器とはこれ如何に?連中を滅ぼす気満々ですな?あんまり寝覚めの良い話じゃねぇ。更に言わせてもらえれば、ここで働いている兵士達には特赦があるとの事ですが、
権力者の常として、秘匿性の高いモノを作った者は、大抵口封じで葬る展開な感じですよね?報酬は鉛玉という事でよろしいか?」
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