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「勘が良いな、見たところ東洋人と見受けるが、その鋭さ、殺すには惜しいとも言える。
勿論、肯定だ。そして君は最初の1人目。光栄に思うがいい。」
「こーえーのゲームはとても好きです。東洋的センスをお褒めとはありがたい。ついでに私の内ポケットに(取り押さえた警備兵がポケットを探る。)おお、すいません。それです。それ!通話ボタンが入りっぱなしですね。ハイっ!こちらも褒めて頂けると。ハイッ!」
軍曹の笑顔と同時にドアが蹴破られ、AK突撃銃で武装した囚人兵達が飛び込んできた。
全員血走った目を爛々に輝かせ、一瞬怯えた警備兵達を銃の台尻で殴り倒していく。手際
よく数名が隣の部屋に駆け込み、怒声を上げ、制圧していく。残る敵は中佐のみとなった
段階で、髭面のナイスミドル“ビクトール”が軍曹に銃を放り投げた。
「外は全員制圧したぞ。軍曹!こんなこったろうと思ったワイ!中佐!覚悟してもらおう。」
拳を振り上げ、殴り掛かったビクトールが凄いスピードで軍曹の所へ戻ってくる。いや、
戻るというより、張り飛ばされたのだ。前を見れば、将校用の上着を脱いだ中佐が筋肉隆々の体を見せつけ、不敵に笑っていた。
「フフッ!私が只の書類整理が得意な悪徳将校だと思ったか?漫画でもよくあるだろう。結構上の位なのに、かなり武闘派上官クラスなキャラが。我々も色々勉強しているのだよ。フハハハッハー!」
笑う中佐に他の囚人兵達が何故か、銃を捨て、殴りかかる。勿論、赤子の手を捻るように
軽くいなす中佐殿!軍曹が凄くツッコミたい感じでソワソワするが、先に口を開くのは
中佐の方だった。
「ハハハッ、驚いているな。軍曹!貴様達の反乱はここまでだ。さぁ、大人しく降伏する…」
遮るように響いた1発の銃声で肩を抑え、蹲る中佐。その頭に素早く駆け寄り、強力な一撃を加え、失神させた(何故か、囚人兵達全員が「中佐ぁ!」と悲鳴を上げた。)片目眼帯の少女が呆れたというようにこちらを振り返る。
「何で銃使わないの?オタク等アホか?」
“ガンタイ”と呼ばれる囚人兵側の彼女に軍曹はもっともだと言うように頷いてみせた…
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