プロローグ

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誰に何を言われても、私はいつだってケイちゃんを信じてた。 でも、あなたが示した真実は『愛人でいいでしょう?』でしたね。 ・・・ 深く、ため息をついたケイちゃん。 …かと思えば途端に笑顔で 『あらら、ついに気づいちゃった?いつの間にそんなに賢くなったのー?ハナはせっかく何でも信じて可愛かったのにねぇ。女の子は、素直に何でも信じないと!誰にも愛してもらえないよ?』 その言葉が5年以上経った今も、呪いのように、ずっと 張り付いている。 ・・・ 現在の私(ハナ) 26歳 気ままな在宅ワーカー 人生最初の彼氏 そして 人生最初のクズ男 ケイちゃん ちょっと年上のスポーツマン(多分) なんで多分なのかは、運動神経どうのこうのではなく、本当にスポーツで忙しかったのかは定かではないため…これはまた追い追い……。 話は少ーーーーし遡り、私が15歳の時から始めましょう。 こんなに年数が経ってもケイちゃんとの日々はそれはもう鮮明に覚えているもんですね。 思えば、出会いから最後まで、なんかちょっと変だった。 恋に恋していたのかな、年上への憧れと信頼が私の目を曇らせたのかな。 親も兄弟も友人も、みんな「なんか変だよ、やめなよ」って言ってたのにね。今でこそアホかよ って笑い飛ばせるけど、当時は本当に信じていたのにね。 大好きで大好きで、絶対この人と結婚するんだ!って思ってたのにね。 まさか5年後に、『愛人でいいでしょう?』なんて言われるだなんて思いもせずに、ただ純粋に恋をしていた少女のお話を少し聞いてあげてください。 ケイちゃん。あなたのおかげさまで、私は立派なひねくれ者に育ちました。
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