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第1章ケイちゃん 出会い
"ブー ブー"
メールボックスの受信を示す緑のランプが光る。
パカッ カチカチ・・・
「ねぇねぇミカ?この人どう思う?」
『ん??お。いいんじゃない?年上?」
・・・
当時、ミカと私は某インターネットサービスにハマっていた。
“出会い系”だなんて大それたものではなく、ただただ友達を増やしたり、たくさんの人と趣味や高校生活について、やりとりをしたりするのが楽しかった。
そうは言っても時々、異性からの「よかったら絡も?(^^)v」という寒々しい要請も届くことはあって、好みだったら返す、好みじゃなかったら返さない。というような具合で日々を過ごしていた。
貞操観念の乱れというか…ネットで出会った人に現実世界で会う事に抵抗はなかった。
友人のミカもインターネットサービスで知り合った一個上の先輩と付き合うことになったというから。
自分の娘にだったら危ないからやめなさい!って言うかもしれないけど、実際危ないことなんてなかったんだ。(目に見えるところでは。)
・・・
ある日「気になったんでメールしました、よかったらお返事下さい。」と、やや丁寧な文で挨拶メールをくれたのが、後にクズ男Aと呼ばれることになった…ケイタくん。
第一印象は、爽やかで大人しそうな人
タンクトップでピースサインの写真を添付してきたのを今でも覚えている。(笑)
ちょうど他にやりとりをしていた人との関係が切れたところだったので、ケイタくんとは毎日のメールのやりとりが始まった。
ケイタくんは、年上なのに少し甘えたようにかわいいことを言う男性だった。恋に落ちるのは早い質で、私はすぐにケイタくんに惹かれていった。
やりとりが始まったのは11月。
気づけば寒さもぐっと厳しくなり、色とりどりのイルミネーションや鮮やかなツリーに飾られた、クリスマスムードが漂う時期になっていた。
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