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『ねぇねぇ、ハナ?』
「なんすかミカさん」
いつもの二人のランチタイム。
朝から大人しかったミカが話しかけてきたかと思ったら少し黙って、俯いている。
・・・ひょっとすると彼氏のダイちゃんと別れたのか?
そんな考えが頭を過る。
『うーん……、あのね。実はついに昨日大人の階段を・・・』
「いや言い方よwwえーーてかそう!おめでとう!なんだ?別れでもしたのかとヒヤヒヤしちゃったよ!笑 で、どうだったどうだった?」
私は女子高育ちのためか、男性への憧れは強かったと思う。
ミカの話には興味があり、
同時に悔しさと焦りもあった。
『いやそれが、そんなに幸せな話でもないのかも、きっとw』
おどけてミカが言う。
「どういうこと?痛かったーーーー!ってやつ?」
『あー、それはまあ、聞いてた程痛くはなかったかなぁ。そこはね、よかったんだけど。場所だよ。どこだと思う?』
「えー、ホテルとか?高校生ってダメなんだっけ?」
『いやホテルならむしろ100点だよ!笑 あそこだよ。駅ビルの裏の駐車場ww』
「……このクソ寒い時期に外かよ……。初めてからハードだねダイちゃん…。」
笑い合いながら『ないわー』と罵り、それでも 幸せそうな彼女を祝った。
祝いながら、置いていかれたくない。と、何よりも焦った。
今思えば焦る必要はないんだけど、好奇心旺盛で憧れも強かった私にとって、ミカの存在は恋愛への動力源だった。
・・・
チカッ
いつからそうだったのか、ふいにピンクのランプが光っていることに気づいた。
半月ほど前から【その他大勢】を通知する緑のランプから、【気になる人】を通知するピンクのランプに、ケイタくんだけメール設定を変えてある。
『あ、ケイタくんでしょ!?ハナはあからさまに浮かれるタイプだよねw』
「うっるさいなー笑」
冷やかされながら、待ちわびていたケイちゃんからのメールを開いた。
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