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『では2名様2時間のご利用でお部屋203号室お使いくださいませ。お部屋から1ドリンクご注文をお願いいたします。』
カゴを受け取り、部屋へと向かった。
考えて見たら、男の人と2人でカラオケなんて初めてで緊張する…
高級そうなダウンコートを脱いで、ケイタくんが『ブレザー預かろうか?』と声をかけてくれたけど、私は首を横に振って着席した。
まだこの空間に慣れずに、ドキドキしていた。
『ハナちゃんは何飲む?』
「ん?、烏龍茶かなぁ…?ケイタくんは?ビールとか?(笑)」
『俺バイクだから飲めないよぉー(笑) そもそもそんなにお酒好きじゃないしね。』
「えっバイク乗ってるの?」
『バイクっていうかビックスクーターねー』
「へー、知らなかった。なんかかっこいいね!」
『そう?(笑)今度乗せてあげるねー。じゃ。烏龍茶頼んじゃうよー?』
「うん、お願いします。」
サクサクと、ドリンクと軽食を頼むケイタくん。
一重だけど大きい目。黒髪。すらっと高い背。綺麗な指。適度な筋肉。
・・・元々の好みとは違うけど、素敵な現実のケイタくんに見とれていた。
『はい、お願いします。 すぐに持ってきてくれるってー^^ハイ。ハナちゃん何か歌ってよ!』
「ありがとう。え!てかやだよ。ケイタくんが歌ってよ!」
『えーどうしてー?俺が歌うなんて時間の無駄だよ。(笑)』
「それこそどうして!…うーん、じゃあもう少し慣れたら歌おうかな!」
『そっか、そうだね!じゃあ、改めまして初めまして。ケイタです。』
ニコッと微笑んで差し出された手を握りながら、ハナです。と改めて挨拶をした。
しばらく他愛もない話をしていると、コンコンッというノック音と共に、女性が注文品を運んできてくれた。
ケイタくんが頼んだのは、カルピス。
「カルピス?てっきりビールだのコーヒーだの頼むと思ったのに。(笑)」
『いやいや、美味しいよ?カルピス!大人を買いかぶりすぎ!(笑)』
結構年の差はあるのに、同じテンポで会話ができるのが楽しかった。
二人きりの雰囲気にも慣れてはきたけど、今まで遊んだ人とは違ったドキドキ感がずっと消えないままだった。
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