第五章 遠征

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「大変失礼致しました、今お部屋を案内致します」 「突然押し掛けてすみません」 「ご夫婦共々に義理のご子息樣の話は聞いておりました、どうぞこちらへ」 案内された部屋は、二人のメイドと椅子に座るカリサの姿があった。 「お帰り、フィン」 「お邪魔します、お母さん」 「ただいまと言え、まったく」 少し困り顔だが、口元は少し笑っていた。 相変わらず元気そうで安心した。 「今日はセントルイス総隊長にお願い事があって来た、今は?」 「まだ夕方だ、もう少し掛かる」 すると、ちらっとメルヴィルを見た。 「そちらのお嬢さんは?」 「わ、わわわ私はメルヴィルと申しますお義母様!!」 「メルヴィル・ド・フラメル、同学年」 「えっ!?」と声を上げて、俺を見た。 それを見て、カリサは笑う。 「恋人が出来たならちゃんと恋人だと紹介するべきだ、彼女、涙目になってるぞ」 「気恥ずかしい」 「少し屋敷の中でも探索するといい、書庫にでも案内させよう」 言われるがまま、俺は書庫へと向かったが、メルヴィルはカリサと一緒に残った。
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