第三章 交叉

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「とにかく、だ!」 オズロー先生が強い口調で喋る。 「この件は他言無用、回りに知られればたちまち大陸中に広まってしまうからな」 「やっぱりマズイですか」 「当然じゃな、フルートの直系、もしかするとオリオンの血筋かも知れんからな」 この世界の偉人なんて分からない、仮にフルートが神の系統だとしてオリオンって誰だ、星座の名前か! 何百年の歴史がある世界ならその神々の系統なんて傍系もさぞかし大量に存在するだろうに。 分からない、何もかも分からない。 「今存在している八傑将の子孫は知っておるな?」 「ティトリウス国王とバチェンカ候」 「あとホルン公爵、その御三家のみじゃ」 ホルン公爵 水の神、アイリスを祖に持つソフィア・ホルンの子孫。 八傑将の一人だったソフィアは、一切喋れなかったが、当時は唯一無詠唱で魔法を使えた魔法使いとされている。 とはいえ、今のホルン家に聖痕を持つ者は現れていないらしい。 「傍系とはいえ神々の血を持った一族、優秀な者ばかり」 「じゃあ俺はいつも通り普通に過ごせば良いか」 何も臆する事は無い、自分らしく特別な事をしないで生きれば良い。 ………ソウ ジブン……ラシク……トウシュナンテ…………
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