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「ただいま、何読んでるの?」
リートがバイトから戻って来た。
俺は本を差し出す。
「八傑将かぁ、良い話だよね」
「良く言えば王道、ひねくれて言うと在り来たり、何処にでもある騎士物語」
「それが良いんだよ、ボクはこういった分かりやすい話が好き」
「世の中が勧善懲悪ばかりとは限らないけどな」
俺は、別の本を手に取る。
「そういえば、お前は実家に帰らないのか?」
「あの領主の住む国よりここが落ち着くんだ、それにキミもいるし」
「俺にそんな趣味は無い」
俺は突き放すように言う、ふと顔を見ると、リートは頬を膨らました。
「それは失礼じゃないかな!」
「出会い頭に平民虐めをしていた取り巻きの言う台詞ではないな」
「それはもう忘れてよ!」
ーーそれから二週間も経つと、大抵の生徒は帰って来る。
テリーとティファはお土産と称して何故か木工細工を持って来た。
木材を扱う国として、木工職人が造る細工は高級品だと言う。
俺達は段々と距離を縮めていった。
他の部屋では未だに確執があるが、仲間として互いに認め、そして高めていく。
ーーーそして三年後、俺達の人生の分岐点へとたどり着いた。
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