第五章 遠征

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「さて、フラメルと言えばカトラット領で繁栄した町の子爵家だな?」 「あ、はい!私はフラメル家の次女です」 「子爵家とはいえ、平民との結婚は親がまず認めないだろうな」 「………そう思います」 「それでも、フィンが良いのか?」 メルヴィルは、胸に手を当てて言った。 「彼の事を考えると……胸が苦しいんです、魔物に教われて助けてくれた時……この気持ちはその時から変わりません」 「分からなくもない、その気持ちは恋人としてではなく、もっと深い関係になりたい、そう思ってしまうんだろう?」 「はい……」 「その想いをフィンに全て言うといい、例え同じ部屋で一夜を過ごしても誰にも咎める事は出来ない、本当に愛しているなら自分の意思に従うべきだ」 今夜、フィンと話をしよう。 メルヴィルはそう心に決めた。 「あの……一つ聞いていいですか?」 「私に答えられるなら」 「もしかして、お腹に子供が居ますか?」 メルヴィル自身も、何を言っているのか分からなかった。 しかし、何故かそう思ってしまった。 「よく判ったな、私はお腹が目立たないから気付かれ難いんだ」 「あの!耳を当ててもいいですか?」 「構わないぞ」 私は、カリサさんのお腹に耳を当てて目を瞑った。
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