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夜の町を襲った災厄。
後に『ライアスの業火』と呼ばれる大火災が一つの町を襲った。
それは村を占領した傭兵団を一網打尽にしようと考えた、王国直属の魔法使いによる攻撃。
結果、傭兵団は村人諸とも焼き滅ぼされた。
ただ、一人を除いて。
「酷いものだ、傭兵団を討伐するためだけに村人ごと皆殺しとは」
「今の魔法使いは目的の為には多少の犠牲は仕方ないと考えている節がありますからねぇ、それにしても女子供までですか」
焼け跡を調査する騎士数名と近隣に住む住人は生き残りや傭兵団に対する手掛かりを探していた。
とは言うものの、この火災で生き残っていそうな人はまずいない、それが調査に来た人達の本音だった。
「隊長、何か聞こえませんか?」
「………聞こえるな」
「隊長!井戸から赤子の泣き声が!!」
奇跡だった。
井戸から救出された赤ん坊、それが村で唯一の生き残りだったからだ。
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