第九章 準備

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「奴隷風情が兵士に勝てると思うな!!」 剣を振り上げるが、俺は即座に足を蹴り上げる。 鎧を付けているとはいえ、股関への衝撃は防ぎようがなかった。 「ふぐぅ……」 体が落ちる。 今度は顔を蹴り上げた。 「がァ!!」 「流石兵士、弱いな」 剣を拾い上げ、軽く二、三回振ってみた。 安物だ。 「こんな物使ってるから弱いんだ、調子に乗るのも大概にしろオラァ!!」 剣を投げ、怯んだ所で殴り、蹴り、更には投げた。 まだ中級剣闘士の方が強い。 「援軍が来たぞ!」 「囲め囲め!一斉に襲い掛かれ!!」 奥から更に兵士が現れ、瞬く間に囲まれてしまった。 そして、反対側からは「ガシャン」と鉄格子を壊した音が鳴った。 現れたのはーーー。 「乱闘パーティーの会場はここかぁ?」 「卑怯者ども、成敗してくれる!!」 ーーーモリガンとヘクターが現れた。 「な、何故ここに!?」 「解放した剣闘士は処分か、道理で知り合いが来ない訳だ」 「今助けるぞ!!」 二人の登場により、戦況は一気に傾いた。 敵の数が一気に減り始め、気付いた時には数える程しかそこにはいない。 その時だった、観客席の回りには弓兵が囲むように現れたのは。 「射てぇぇぇ!!!」 敵味方関係無く、大量の矢が撃ち込まれた。
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