第十一章 帰郷

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ーーーレイストリア大陸最北端、シルバーレオ辺境伯『元』配下が支配する領土。 『ゴドルドラ領』 主な産業は鉱石の採掘、そしてそれらを取り扱った商品の生産と輸出によって成り立っている。 そんなゴドルドラ領、三年前の動乱によって反旗を翻した貴族達によって包囲網を敷かれていた。 これによって辺境伯の戦力は半減し、包囲網によって輸入頼りだった食糧品の流通も儘ならなくなってしまった。 ゴドルドラ領主は民の生活を優先して三国の下に就いた、しかし食糧品の流通は最低限しか輸出されて来なかった。 ゴドルドラに隣接する三国、同じく採掘を産業とする『エヴァラ領』。 多くの傭兵を抱え、ゴドルドラ領への流通を止めた主犯格の『スタンロウ領』。 多くの砦を築き、辺境伯との対立を高め続けている『ラーク領』。 この三国は皇帝派に付き、重税による搾取で放蕩三昧の生活を送っていた。 ーーー関所破りを成功したフィン達は、ゴドルドラ領の町へと入る事となった。 しかし、ここで思わぬ問題が発生した。 「駄目だ、町には入らせない!」 「今までは通行料を払えば入れたんだろ!?」 「だから、エヴァラ領かスタンロウ領かラーク領の領主からの通行証が無ければゴドルドラ領の町には入らせない決まりが出来たんだ!!」 「だから賄賂を払うって言ってんだろ!!」 大声で賄賂と言っている時点で平然と犯罪を行う気でいた。 それでも、門番は一向に拒否一辺倒だった。
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