第三章 交叉

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「ビクトル、合格」 「よっしゃあ!」 元々戦闘を主にした人は日頃から鍛えている、つまりこの試験はそういった人にとって簡単な内容でもある。 現にリートは杖で殴打しているが、全然怯みもしない。 一応ダメージはあるらしい、それよりもアナは短剣で頭部をガンガン突いている。 例え倒せなくてもある程度のダメージを与えさえすれば可は貰える。 逆に典型的魔法使いタイプは既に何もしていない、サファイアが良い例だ。 「お疲れ」 「おう、お前も早かったな」 ビクトルは棍での刺突技のみで木人を倒した。 さすが武門で生きてる人は強い。 「それより!さっきのは奥義か!?絶対奥義だよな!!」 「い、いや……俺もよく分からない」 「そうか、でも最期の攻撃は殆どの奴が見てたぞ、確か雷刃って叫んでたな」 ビクトルには言わなかったが、あの時にそれとは別の言葉が頭を過っていた。 『キリサメ』 あれは何だったのか……。
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