第三章 交叉

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俺やビクトル以外にもグラッフ、メルヴィル、ティファも合格となった。 リート、アナ、テリーは何とか可、サファイアは受けなかったので不可だ。 次は魔術試験、俺とリート、アナ、サファイアが受けた。 「では、君達にはこれを解いて貰おう」 ブラン先生が取り出したのは、小さな木製の箱だった。 問題は、木箱の中身を取り出すこと。 「あれ?蓋が見当たらない」 一人の生徒が言うと、皆も木箱を触って確かめる。 カタカタと振ってみる人もいれば、無理にこじ開けようと力を入れる人もいるが、そう簡単には行かなかった。 (あぁ、魔道具か) 魔力の扱いに関しては基礎をひたすら練習した。 魔道具というのは魔力を込められた道具の事で、普段は魔法が使えない人でも魔法の加護を得られる代物だ。 この魔道具は、一定の魔力を込めて解放するタイプだ、要するに魔力を持つ人にしか扱えない金庫、もしくは宝箱と言った所か。 「開きました」 先に箱を解いたのは、武術試験を不可となったサファイアだった。 「素晴らしい、合格じゃ」 俺も箱に魔力を込めてみた、確かに箱は少し光った。 「分かった、こういう事か」 魔力を風系統に変換した。 すると、箱は呆気なく開いた。
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