第三章 交叉

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俺は、先生に質問をしてみた。 「剣の購入期限は今日中ですか?」 「特に期限は無いが、売り切れたらそれまでとする」 だったら簡単だ。 要するに、前金を払えば良い。 「じゃあ俺、答えます」 先生の前で、案を出した。 「手持ちの銀貨十枚を支払って武器を暫く取って置いて貰えるように交渉します」 「ほう!それで」 「残りは後日、職業が国の兵士なら一月後、それ以外なら狩りで稼ぐかギルドの依頼をこなせば早くても数日後にもう十枚支払います」 「もしその店員が断ったら?」 「流石に断らないでしょう、遅くても一月、もし違えば前金は丸々儲けになる、店には何のデメリットも無い」 暫く互いに無言が続いた、そして……。 「優だ」 俺はガッツポーズをした。 残り時間は教室を出て待機する。 この試験は咄嗟の判断をどう対応するのか、それを見る試験だ。 こういった事は生きていれば何度も訪れる、例えどんな職業に就こうとも。
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