第三章 交叉

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後ろへ付くと、いきなり俺の服を捲り上げられた。 先生は、「なんと!」と驚きの声を上げた。 「私は長く生きているが、これは驚かされた」 「如何なされましたかな?オズロー様」 「ここだけの話にしてくれんか?サファイアも」 今度は、そのまま背中を皆に見せるかのように体位を入れ換えた。 すると、二人も声を上げた。 「ま、まさか!」 「ーー聖痕!」 俺自身、背中を見る機会なんて有る筈もなく、当然聖痕なんて知らない。 しかし、三人の話し様でこれが凄い事だとは大体感じられた。 「……何故八傑将と呼ばれたか、知っているか?」 「強かったから?」 「違う、その八人には身体に聖痕が刻まれておったからだ」 「つまり、神々の系譜」 サファイアは言った。 ーー八傑将が活躍する前の昔、それは更に時を遡る暗黒の時代。 殺戮の限りを尽くした魔神『バルフォーリア』 神々は、魔神を討伐する為に天空より使わした神の子達を地上へと遣わせる。 長い月日、そして万の犠牲の末に、魔神バルフォーリアは倒された。 殆どの神の子は天空へと還っていったが、八人の子は自ら地上へ残った。
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