告白

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。 「でも、考えるだけなら罪じゃないよ。あの二人が薔薇の咲く公園でいちゃいちゃしているの考えてみ? 楓君はあの通りちゃらちゃらしているけど、それも全部観月君との真実の恋をみんなに隠すためのフェイクでさ。二人きりになると観月君が誘ってきて。きゃああ萌える!」 「……絶対楓が誘い受けだけどね」 「あのー」  その時、私たちはHRが始まる気配を感じ取った。黒板前、担任の小野がこっちを凝視してくる。あたりは既に静寂が始まる雰囲気になっている。まずい、この話を早く切り上げねば。そこで、楓がにやにやしながらこちらを見据えてきた。 「なに? 俺らの話で盛り上がってる感じ?」 そうして立ち上がって、生徒会長の腰に手を回す。 「なんならここらで腐った女性陣のご機嫌でもとっておくか? なあ、観月」  「ぎゃあああああ」  その時、クラスのあんまり仲良くない、ギャル風女子が鼻血を出した。ああ、この子も腐女子なんだ。隠してたんだ。二人のあぶり出す効果って凄まじい。 「あのーそろそろHRを始めたいんですがっ」  クラス委員の山田がおもむろに話を切りだす。山田は黒髪を微妙にかりあげた、古臭い髪形の目立たぬ男だった。噂では次の生徒会長選に出るという話だが、ルックスでも胆力でも劣る現会長にはいつも嫉妬心を起こしている。どうせ自滅するとの下馬評がおおかたを占めていた。 「はい、ではまもなくに迫った文化祭の出し物についてですが」 それからはよどみなく、文化祭の出し物についての話し合いがもたれた。話し合いの最中突然、にわかにクラスの男どもがはしゃぎだした。移動教室で隣のクラスの女たちが教室の前を通るのだ。隣のクラスには学年一の美女、綾子ちゃんがいる。腰までの黒髪にとび色の瞳の美女。私にはそっちの気はないが、あったとて彼女には手を伸ばしたくなかった。イケメン大好きでイケメンだけを優遇するとの噂だったからだ。そういう人はなんだか苦手だった。クラスの男子たちは綾子ちゃんの残り香にまだ興奮している。そう、楓と会長以外は。 ◆  昼の休憩時間に煙草の匂いを嗅ぐようになったのはいつの頃からだろう。楓の吸うマルボロの匂いを感じながら、私は壁にもたれて初夏の気配にうたたねしていた。屋上のドア付近は私と楓の秘密の空間だ。ここで彼ののろけを聞いたり、最近の小説執筆状況について伝える。今日は抜けるような青空で、
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