第1章 シュメイプワールド

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色白で、スッと細い目でサラサラの黒髪。針金のように細く華奢な体・・・。 「姫様が、シュメイプワールドに訪れる日をずっとお待ちしておりましたよ。」 男は、私を見るなりニコッと微笑んだ。普段は度のきつい黒縁眼鏡をかけているからわからなかったけど・・・。間違いない。この男は、拓也だ。 「あなた、拓也でしょう?こんな所で何をやっているのよ。」と私が言うと、拓也は「はい。私はあなたが思っている人と同じ拓也である事に間違いはありません。ただ、ここはその拓也が脳内で作り上げたおとぎの世界なのです。」と訳の分からない事を言ってきた。 脳内で作り上げた、おとぎの世界?もともとオタクっぽくて変わってるとは思ってたけど、やっぱり拓也って頭がおかしい男だったのかしら? あーあ。やっぱり、好きでもない癖にお情けで付き合おうなんて思っちゃいけなかったんだわ。これが好きな人なら興味のない世界でもノッて話を聞くかもしれないけど、やっぱり好きでもなんでもない男の妄想話に付き合うのは時間の無駄としか思えない。 そもそも、思い起こせば「クラスの女子みんな彼氏作ってるから、私も彼氏を作らないと恥ずかしい」っていう思い込みが全て面倒な事を引き寄せてしまったような気がする。
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