おばあちゃんとの別れ

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闘病中だった私の母が、今月13日に永眠しました。 娘にとっては、ずっと一緒に暮らして可愛がってくれていた唯一のおばあちゃん。 「おばあちゃんがねんねして、お花を入れて、バイバイしたねぇ」 と葬儀の様子を思い返すも、『死』に関して正確にピンときているわけもなく。 「おばあちゃん、どこ?」 「おばあちゃんとこ(病院)、いく」 「おばあちゃんに、(家に)きてほしいの!」 と時折思い出しては、癇癪寸前になることも。 環境や状況の変化に馴染むには特に時間のかかる娘なので、年数をかけて、寂しさの癒える日がくることを一緒に待とうと思っています。 火葬の炉に入る母(おばあちゃん)を 「Sちゃんも、入る!」 と追っかけようとした娘の姿を思い出す度に、 私も堪らなく涙が溢れそうになるのですが。 毎朝毎晩、 「おはようございます」 「おやすみなさい」 鈴を鳴らして母(おばあちゃん)の遺影に挨拶をする娘。 「おばあちゃんが、元気になりますように」 今は遠くにいて、帰ってくると信じて声を掛けている様子を見せているけれど。 彼女なりに、はっきりとは理解できなくとも、おばあちゃんが亡くなったことを克服しようと努めているのだと感じています。 「おばあちゃん、どうして、いなくなったの?」 「病気で、しんどそうだったでしょ」 「うん」 「今はね、しんどくなくなったの」 「しんどくなくなったの?」 「うん。だから姿は見えなくなったけど、Sちゃんの近くにいてくれてると思うよ」 娘の姿を守って覆うようなリアクションをしてみる。 こんな説明で、納得してくれるかな…と不安になるも、 「近くにいてくれてるのー!」 嬉しそうに応える娘に、感謝する毎日です。
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