#13

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まさか坂本先輩に弟がいたなんて。 それに坂本先輩の家に、きょうくんと私の写真があるのはなぜ? 同一人物なのかもしれないけれど、すぐには信じることなどできない。 だって名前が違うじゃない。 私が仲良くしていたのは、あらいきょうくんだ。 坂本先輩じゃないはず。……じゃあどうして写真があるの? 混乱しながらも悠一くんを抱きしめ、坂本先輩の帰りを待っていると、外の方から階段を上がる音が聞こえてきたと思ったら、すぐに鍵が開き勢いよくドアが開いた。 「悠一!?」 そしてバタバタと肩を上下させながら部屋に入ってきたのは、坂本先輩だった。 「坂本先輩……」 呼吸は乱れていて、よほど慌てて帰ってきたのが見て取れる。 坂本先輩は私に抱きしめられている悠一くんを見ると、心底安心したのか大きく息を吐きしゃがみ込んでしまった。 「よかった、無事で……」 「お兄ちゃん……」 ずっと怯えていた悠一くんだったけれど、坂本先輩の姿に私から離れ、すぐに坂本先輩の元へ駈け寄った。
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