#13

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「高校を卒業して自立できたら、どんな手を使ってでも会いに行こうと思っていた。なのに突然現れて、覚えていないくせに俺を好きになって。……高校時代、どれだけお前に振り回されたと思う?」 苦しそうに顔を歪める坂本先輩。 「心のどこかでお前も俺のことを覚えてくれていると思っていた。なのに、忘れられていてバカらしく思えて。……もう、忘れようと思った。いい加減幼い頃の初恋に縛られるのは、終わりにしようと。……それなのにお前はまたこうやって俺の前に現れて、簡単に俺の心を揺るがした」 坂本先輩が言っていることは本当なの? 本当に坂本先輩がきょうくんで、私のことをずっと想ってくれていて。 けれど私が気づかなかっただけで……。 「でっ、でも坂本先輩、高校時代は私のことなんて嫌っていたじゃないですか」 そうだよ、再会したはずなのに私を嫌っていたじゃない。 「当たり前だろ? 俺を覚えていないお前なんて嫌いだった」 なにそれ……! 「それにたくさんの人と遊んでいたじゃないですか!」 「なにもかも嫌気がさしたんだ。自分だけずっとお前を想い続けていたことに」 なによ、意味が分からない。じゃあ高校時代遊んでいたのは、私のせいだって言うの? 「私のことだけは抱けないって言ったじゃないですか……」
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