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「どんなに想いを抑えようとしても無理だった。だからあの時、お前にキスしたんだ。いい加減俺の気持ちに気づいてほしくて。……でもすぐに後悔したよ。悠一のために生きようと決めていたのに、なにやっているんだって」
あのキスの意味はそういうことだったんだ。
「もういい加減お前のことは忘れようと思って避けた。そうしたら急に強気に出てきたり、悠一が予想外な行動に出たり。……だめだな、俺。やっぱりお前のこと好きだわ」
余裕なく発しられた「好き」の言葉に、涙が溢れ出してしまう。
「近くにいたらこんな風に触れたくなる。愛しくて仕方ない。……昔からずっと」
苦しそうに表情を歪めた坂本先輩に、我慢できず自分から彼の胸の中に飛び込んだ。
「なんですか、それっ……! どうしてもっと早く話してくれなかったんですか!? 私がっ……私がどんな想いでいたか分かりますか!?」
ギュッと彼の背中に腕を回し、気持ちを吐露していく。
「私だってきょうくんのこと、ずっと忘れられませんでした! 公園に来なくなってからも、毎日通ってしまっていて。……いつか会えるとずっと信じてきました」
「須藤……」
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